2010/01

<< January 2010 | 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>


LATEST ENTRIES

 

CATEGORIES

 

ARCHIVES

 

LINKS

 

ADMIN

UNIQLOCK

 

花のあと:読後感

読みはじめたら時間がとられるから、と思ったがどうにもだめだった。
小説を読み始めると、自分でもとまらないのが、分かる。
とまらないのではなく、とめられないのだ。

論文の提出も間近なこの時期に、どうも半日とられてしまった。

藤沢周平の「花のあと」を読んだ。
短編集で、それぞれの話も短く、二時間もあれば読める。
半日とられたのは、つられて他の本も引っ張り出してきたからだ。

この本を手に取ったのは、表題作が北川景子主演で映画化されるから、というのがまあ一番大きな理由なわけだが、それでも藤沢周平だったから、というのも大きい。

藤沢作品を初めて読んだのは、中学一年生の時だからかれこれ約30年前にもなろうか。
実際にはそこまでいっていないわけだが。

NHKの水曜時代劇で、「立花登・青春手控え」というドラマが放送されていた。
それを熱心に観ていたわけだ。
それをきっかけに、中井貴一のファンにもなった。
さて、その原作が藤沢周平の「獄医立花登手控え」だった。

原作を貪るように読んだ。
そこに描かれた生き生きとした江戸の市井の人々の息づかいに夢中になった。

さて、「花のあと」。
表題作は当然面白い。
映画化の話が先に頭に入っているので、映像を浮かべながら読み進めた。北川景子の演技が楽しみ。

どの話も、心にストン、と落ちるものばかりで気に入った。
藤沢周平は、長編も良いのだが、僕はこういった短編を集めたものの方が、より好ましい。
(立花登シリーズも、要は短編集ではある)
短い中に、書かれて十数年も経つのに、しっかりと登場人物の息づかいが生暖かく伝わってくる。
こういった小説を読むのは、本当に嬉しいのだ。

表題作以外では、「冬の日」という話が心にいつまでも残る話だった。
いうほど善人ではなく、いうほど悪人でもない多くの普通の人々の葛藤や生き様が、二人の背中に映し出されていて、これは誰それの話でなく、自分自身の話であると捉えることができる。
多くの普通の人々は、日々の生活の中に、ぽっ、と灯すあったかいものを探しているのだ。
一人では見つけられないが、二人なら見つけられるだろう。
一人だっていう人も、一人なんじゃあありません、よく考えればね。

さて、2010年が始まった。
今年も良い年になります。
有難う御座います。



Copyright (C) 2010 JUGEM Some Rights Reserved. 
designed by ホームページ制作 Tip3's │無料WEB素材 --Design-Warehouse--